宮浦ギャラリー六区は、2013年夏、直島・宮ノ浦地区に設置されたギャラリーです。建築家・西沢大良により、かつて島民が行き交っていた娯楽の場「パチンコ999(スリーナイン)」を、隣接する公園とともに、島内外の人々が集う場として設計・公開しました。
この場所を拠点に2019年9月より、プロジェクト≪瀬戸内「 」資料館≫が始まっています。
2019年9月から始まったプロジェクト、≪瀬戸内「 」資料館≫は、直島・宮浦ギャラリー六区にて、新たな展示≪瀬戸内「百年観光」資料館≫を公開します。
アーティスト・下道基行が監修する≪瀬戸内「 」資料館≫は、瀬戸内海地域の景観、風土、民俗、歴史などについて、そこに住む人々、関わりを持つ人々とともに、各分野の専門家も交え、調査、収集、展示し、語り合う場として構想しました。一連の営みは記録として保存し、さらに次の展開に活用していきます。
昨夏に続く第二回は≪瀬戸内「百年観光」資料館≫と題し、直島を中心とした瀬戸内海の観光の変遷をテーマに展示を行います。1900年代初頭から2020年まで、およそ百年間の瀬戸内の観光史を俯瞰します。調査のなかでアーティストは、旅行本や古地図、島の方々から提供いただいた資料に出合い、現在から過去へ遡るように空間内に配置しました。
本展示を通して、この地を訪れた人々がどのように瀬戸内海を体験し、受容していったのかを振り返るとともに、私たちの現在地と歴史の繋がりをたぐり寄せ、知る過程を、来館する方々と共有できることを期待しています。
1978年岡山生まれ。2001年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。日本国内の戦争遺構の現状を調査する「戦争のかたち」(2001-2005)、祖父の遺した絵画と記憶を追う「日曜画家」(2006-2010)、日本の国境の外側に残された日本の植民/侵略の遺構をさがす「torii」(2006-)など、展覧会や書籍、ワークショップなどで発表を続けている。フィールドワークをベースに、生活のなかに埋没して忘却されかけている物語や日常的な物事を、写真やイベント、インタビューなどの手法によって編集することで視覚化する。2019年、ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展日本館の参加アーティストでもあり、国内外さまざまな展覧会に参加。さらに、作家として作品をつくることと並行して、「Re-Fort Project」(2004-)、「新しい骨董」(2014-)、「旅するリサーチラボラトリー」(2015-)など、さまざまな人々とのグループ/コレクティブでのプロジェクト活動も多数行っている。2019年より≪瀬戸内「 」資料館≫を企画・監修し、「館長」に就任。
宮浦ギャラリー六区は、直島の人々の生活エリアに整備された最初の展示施設です。長年島の人々に親しまれてきた旧パチンコ店のファサードはそのままに、本体は全面的に改修し、展示施設として再生しました。
展示室は、作品を自然光の下で鑑賞できるよう天井には約400本のルーバーを用い、季節や時間の移り変わりとともに異なる作品空間をつくり出します。
また、合わせて隣接する児童公園の一画に芝生の休憩テラスを設け、ギャラリーからの観客出口を公園側に設けることで、鑑賞者と直島の子どもたちが一つの空間に共存できるよう、ギャラリーにとっての前庭を兼ねた屋外空間としています。
西沢大良
1964年東京生まれ。1993年西沢大良建築設計事務所を設立。
代表作:「砥用町林業総合センター」(2004年、熊本)、「沖縄KOKUEIKAN」(2006年、沖縄)、「駿府教会」(2008年、静岡)、「宇都宮のハウス」(2009年、栃木)、「今治港再生エリア都市計画」(進行中、愛媛)。
(1)バリアフリーについて
施設の特性上、バリアフリー対応になっていない場所がございます。あらかじめご了承ください。
お越しいただく際は可能な限りの入館サポートをいたしますので、施設へ直接ご相談ください。
(2)車椅子等の貸出について
・車いす:貸し出しはございません。
・筆談具:あります。
・多目的トイレ:ございません。
・介助犬・盲導犬・聴導犬を同伴してご入館いただくことができます。
〒761-3110 香川県香川郡直島町2310-77 宮浦ギャラリー六区
Tel : 087-892-3755(地中美術館)
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