小豆島・福田地区を拠点に活動する福武ハウスでは、2020年12月11日から2021年1月18日までの39日間、影絵師の川村亘平斎さんと福田の親子14人で制作した影絵ものがたり「福田うみやまこばなし」を上演し地域の魅力を伝えるためのクラウドファンディングの募集を行いました。その結果、目標額の70万円を超える86万6千円のご支援が93名の方より集まりました。

新型コロナウィルスの影響でさまざまなことが不安定な中、クラウドファンディングという形で自分たちの活動の背中を押していただけることに、地域で活動する団体として勇気付けられました。ご支援いただいた方へ感謝の気持ちとして、返礼品とともに「福田うみやまこばなし」の動画が見られるQRコードを載せた影絵はがきをお送りし、離れ離れのようになった人々をつなぎ、福田の魅力を伝えることを目指しました。

今回クラウドファンディングへ挑戦したことで多くの方から寄せられた支援は、「お金」だけではありません。小豆島への移住を検討していた方から「今は島に行くことができないので、自分でできることをしたい」と応援メッセージをいただいたり、福田を離れた方が「里帰りができないので、地元のために、力になりたい」とコメントくださったり、一人ひとりのコロナ禍においての小豆島への「思い」が「行動」になって、地域の中で活動する私たちの背中を押してくれました。

クラウドファンディングの募集期間が終了した後も、福田自治連合会より寄付をいただきました。また、小豆島出身の方が「福田での影絵の上演を通じ地域の価値を新たに創り、未来へと引き継ぐ活動を支援したい」というお気持ちから、在職されている三菱UFJ銀行の社会貢献活動の取り組みの一環として50万円の寄付をいただくなど、枠組みを超えて反響が広がっています。

3月5日に決定した首都圏1都3県の緊急事態宣言の延長を受け、3月に予定していた影絵の上演イベントは4月以降に延期することになりました。すぐに影絵を公開できないことは残念ですが、海に面し山に囲まれた福田の豊かな自然とともに、ものがたりを楽しんでいただくよう、安心して来島できる時期を、地域のみなさんと協議していきます。

また、新たな「福田うみやまこばなし」のエピソードを加えるためのフィールドワークを行ったり、福田地区を満喫できる街歩きマップを制作したり、より充実した体験時間になるよう取り組んでいきます。

このプロジェクトに共感していただき、ブログやラジオ、新聞などのメディアやSNSなどで取り上げていただいたことや、影絵に参加した福田の親子からの応援が後押しとなり、私たちの思いもよらない人々へ届いていったのではないかと思います。

福武ハウスでは、これからもより多くの人に福田の色鮮やかな記憶をものがたりで届け、地域の魅力を伝え続けていきたいと思います。